OTORが目指すこと

草原の国モンゴル。モンゴルを表現するのにこれほど適した言葉はないでしょう。私もそんな大自然に心を打たれ、モンゴルに関わるようになった者の1人です。

しかし今、モンゴルでは砂漠化が進んでおり、すでに国土の40%が失われているとも言われています。様々な原因が考えられますが、必ず挙げられる原因として世界的なカシミヤの需要が高まると共に「ヤギの割合が増えている」事があります。

なぜヤギが増えると砂漠化するのでしょうか?

それは、ヤギが羊と違い草を根こそぎ食べる習性があるためです。そのためかは定かではありませんが、昔から遊牧民の家畜は羊が70%に対してヤギが30%という割合が保たれてきました。遊牧民にとって羊は「良い」家畜であり、お祝いの贈り物には必ず馬か羊が贈られてきました。しかし今、カシミヤがウールの10倍もの価格で取引されるため、徐々にそのバランスが失われ割合が逆転してきているのです。

確かにカシミヤは細く柔らかく暖かい素晴らしい素材です。しかし、羊毛や他の動物の毛もそれぞれ良い特徴を持っており、私たちの生活を十分に豊かにしてくれます。OTORの製品は細い柔らかい毛だけを取り出して使用していますが、取り分けた太い毛もフェルトや断熱材に使用されています。私たちは、紡績工場と協力し、製品を作るのに適した毛を持つ羊を探し、遊牧民と契約し、適正な価格で買い取る事により、モンゴルの家畜のバランスが取り戻されるように今後も取り組んで参ります。モンゴルの広大な土地に対して我々の取り組みは今は小さなものかもしれませんが、取り組み自体や商品を通してこのモデルやマインドが一人また一人へと伝わり、モンゴルの未来に続く大切な考え方になると信じております。

モンゴルのどこまでも続く青々とした草原が、そこで幸せそうに草を食む動物たちが、それを暖かく見守る遊牧民の姿が守られてゆき、10年後も50年後も100年後もモンゴルが砂の国ではなく「草の国」として人々を惹きつけることを願ってやみません。


Director  河内  泰平